Vol.50「幸福とは」

書籍名:サピエンス全史(下)
著者:ユヴァル・ノア・ハラリ
リンク:http://amzn.asia/dfFCnjL
 
ー書籍からー
◾️家族とコミュニティの崩壊
産業革命は、市場にかつてないほど大きな力を与え、国家には新たな通信と交通の手段を提供して、事務員や教師、警察官、ソーシャルワーカーといった人々を政府が自由に活用できるようにした。
 
ところが当初、市場や国家は自らの力を行使しようとすると、外部の介入を快く思わない伝統的な家族やコミュニケーションに行く手を阻まれることにきづいた。
 
親やコミュニティの長老たちは、若い世代が国民主義的な教育制度に洗脳されたり、軍隊に徴集されたり、拠り所のない都市のプロレタリアートになったりするのを、むざむざ見過ごそうとはしなかった。
 
そのうち国家や市場は、強大化する自らの力を使って家族やコミュニティの絆を弱めた。国家は警察官を派遣し、家族による復習を禁止し、それに代えて裁判所による判決を導入した。市場は行商人を送り込んで、地元の積年の伝統を一掃し、たえず変化し続ける商業の方式に置き換えた。
 
だが、それだけでは足りなかった。家族やコミュニティの力を本当の意味で打ち砕くためには、敵方の一部を味方に引き入れる必要があった。そこで国家と市場は、けっして拒絶できない申し出を人々に持ちかけた。「個人になるのだ」と提唱したのだ。
 
◾️幸福度を測る
これまで私たちは、健康や食事、富など、おおむね物質的要因の産物であるかのように幸福を論じてきた。より豊かで健康になれば、人々はより幸せにもなるはずだ、と。
 
だがこれは、本当にそれほど自明なことなのか?哲学者や聖職者、詩人たちは、幸福の性質について何千年も思案を重ねてきた。そしてその多くが、社会的、倫理的、精神的要因も物質的な条件と同じように、幸福に重大な影響を与えるという結論に達した。
 
ひょっとすると、豊かな近代社会に生きる人々は、繁栄を謳歌しているにも関わらず、疎外感や空しさに苛まれているのではないだろうか?そして、私たちよりも貧しかった祖先たちは、コミュニティや宗教、自然との絆に大きな満足を見出していたのではないだろうか?
 
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家族やコミュニティは、富や健康よりも幸福度に大きな影響を及ぼすようだ。緊密で協調的なコミュニティに暮らし、強い絆で結ばれた家族を持つ人々は、家族が崩壊し、コミュニティの一員にもなれない人々よりも、はるかに幸せだという。
 
◾️人生の意義
幸福の歴史は、生物学者の想定よりもはるかに振幅の大きなものだったのかもしれない。この結論は、近代をかならずしも高く評価しない。
 
人生を分刻みで逐一査定すれば、中世の人々は確かに悲惨な状況にあった。ところが、死後には永遠の至福が訪れると信じていたのならば、彼らは信仰を持たない現代人よりもずっと大きな意義と価値を、自らの人生に見出していただろう。
 
◾️汝自身を知れ
仏教によれば、苦しみの根元は苦痛の感情でも、悲しみの感情でもなければ、無意味さの感情でさえないという。むしろ苦しみの真の根源は、束の間の感情をこのように果てしなく、空しく求め続けることなのだ。そして感情を追い求めれば、私たちは常に緊張し、混乱し、不満を抱くことになる。
 
この追求のせいで、心は決して満たされることはない。喜びを経験している時にさえ、心は満足できない。なぜなら心は、この感情がすぐに消えてしまうことを恐ると同時に、この感情が継続し、強まることを割愛するからだ。
 
途中省略
 
真の幸福とは私たちの内なる感情とは無関係であるというものだ。事実、自分の感情に重きを置くほど、私たちはそうした感情をいっそう強く渇愛するようになり、苦しみも増す。ブッタが教え諭したのは、外部の成果の追求のみならず、内なる感情の追求をやめることだった。
 
◾️訳者あとがき
近代に入り、小児死亡率は大幅に低下し、大規模な飢饉もほぼ一掃された。
 
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戦争も採算が合わず、平和の利益はあまりに大きく、国際関係の緊密化によって、各国の独立性が弱まっているから、そして、しだいに多くの人が、特定の民族や国籍の人で無く全人類が政治的権力の正当な源泉であると信じ、人権を擁護して全人類の利益を守ることが政治の指針であるべきだと考えるようになってきている。
 
 
ーここからー
サピエンス全史は歴史書には珍しく、幸福について書かれていたので抜粋しました。とても長かったので、要点だけ抜粋をしたのですが、そのために言葉が飛躍していると感じる方もいるかと思いましたので、再度簡単にまとめます。
 
私たちは物理的には過去と比べててとてつも無く恵まれた社会に生きています。しかしながらそれが幸せとイコールかというと違かも知れませんね。もしかしたら、中世の人や狩猟時代の太古の祖先の方が幸せかもしれない。
 
確かにこんなに物理的に裕福であるにも関わらず、世界中で自殺者は増える一方ですし、自分が幸せかと言われるとわからないのが正直な気持ちです。何を持って幸せと言えるのか?
 
幸福の定義は難しい。科学的には幸せは無いらしい。ただ感情に紐付いているのは確からしい。その感情に影響を与えていたのが家族やコミュニティです。
 
最近、家族やコミュニティが希薄になってきたとよく聞きますが、その原因が産業革命に起因しているとは考えたことがありませんでした。まさに「目からウロコ」でしたね。
 
この場を借りて何か答えを言いたい訳では無く、ただこの本を読んでいて改めて強く感じたことを最後に書かせて頂きます。
 
人は一人では生けて行けない生き物なんだとシミジミ感じました。だから恋人を作ること。結婚すること。子供をつくることはとても大切なことなんだと改めて思いました。
 
今の時代、男にしろ女にしろ経済的に自立して一人で生きて行ける人が増えていますが、彼氏や彼女、そして、家族を持つ方が幸せになる確率が少し上がる?のかなと感じています。3人の父親として・・・。
 
これに関しては賛否があると思いますので、あくまでも一個人の意見として聞いて頂けると幸いです。
 
まだ年初と言えるのでしょうか?わかりませんが、自分にとっての幸福とは何か?を考えてみてもいいのではないでしょうか。私は年末年始に考えましたよ。笑
 
それについては、また折を見てお伝えいたします。