著者:吉越 浩一郎
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ー書籍からー
①日本の企業は、総じて判断が遅い
何かを決める会議を開いても簡単には結論が出せず、「引き続き慎重に検討しよう」「しばらく様子を見るべきだ」などと言って、最終的な判断を先送りにすることが多い。リターンには必ず一定のリスクがつきまとう。リスクをゼロにすることなど、絶対にできない。
失敗するのが怖いので、気持ちの上で本当に安心できるまで結論を出すことができない。そして、判断に時間を掛けるほど、決定に必要な情報がたくさん集まると思っている。
②生産性が下がる理由
野球の監督が投手のリードを捕手に任せているのと同じように、ある程度まで現場の判断に任せることも、仕事の効率化には欠かせない。何から何まで上司が口を出していると、部下はその「壁」を乗り越えるために余計な手間を強いられるものだ。
上司・部下の間だけでなく、親会社・子会社の間にも同じことが言える。指導者が現場から遠くにいるほど、ホワイトカラーの生産性は下がる。
③上司の判断が遅くなる理由
どうして、上司は部下が当たり前だと思っていることを当たり前だと思えないのか。それは、その上司が現場から当事者として仕事に関わっていないからだ。その証拠に、課長よりも部長、部長よりも取締役・・・と。肩書が上がるほど判断のスピードが遅くなる。
現場からの距離が遠ければ遠いほど、何が当たり前なのかが見えなくなり、従って素早く判断ができなくなるわけだ。
前に、「慎重に様子を見よう」などと言って意思決定できないのは、失敗を恐れているからだという話をした。しかし、結論を先送りにしても、判断材料が増えることはない。むしろ、その間に次々と状況が変化するため。ますます判断が難しくなってしまう。
④部下の判断力が上がらない理由
能力のない管理職ほど情報を隠そうとする。そうでもしないと部下が権威を認めてくれないわけだ。部下が悪いのではなく。情報の共有化を図らず、組織内の常識レベルを高めてこなかったリーダーの責任だ。
⑤会議は本当に無駄なのか
「会議が無駄」なのではなく、「無駄な会議」を開いている会社が多いということだと私は思う。むしろ、うまく活用すれば会議ほど業務の効率化に役立つものはない。
まず何よりも「情報の共有化」が可能になる。会議を通じて共有される情報のなかでも、とりわけ大事なのは、ある判断にいたるまでの「プロセス」について共通認識を持てるようになることだ。会議はプロセスまで含めて「情報を共有化」することで、現場の判断力を上げる。
ーここからー
今回は「判断力」をキーワードにして書籍から抜粋をしています。判断力を上げる方法として、会議はとても有効だと私も実感をしています。