Vol.56「知的資本の中にある強みにフォーカス」

書籍名:知的資本経営のすすめ
著者:㈱アクセル 船橋仁(編集)
リンク:http://amzn.asia/3xVkodW
 
ー書籍からー
■成熟社会における持続的な成長を目指す会社
日本はこれから人口減少社会の本番を迎えます。その中でも会社は持続的に成長していかなければなりません。
 
なぜなら、豊かな成熟社会を作るためには、安心できる社会や精神的に満足できる生活水準を維持する必要があり、これには高いレベルの経済活動の維持が必要だからです。豊かな社会を維持していくための社会や環境との調和の取れた持続的な成長が、企業にも求められます。
 
■企業価値とは
企業価値は、細かな理屈は省きますが、財務理論上は、
 企業価値=財務資本・有形資本+無形資本(=知的資本
     =現在の財務的な価値+将来の期待収益(価値)
と表現されます。
 
また企業価値とは、株式市場においては、
 企業価値=株式時価総額
として認識されます。
 
■知的資本とは
会社の価値である根っこの部分に相当する価値を「知的資本」といいます。知的資本としては例えば、勤労意欲と能力の高い社員、明快なビジョンと戦略を描く経営者、キラキラと光る独自の技術、安定した効率よい業務システム、顧客から得ている信頼、取引先との建設的な関係、名の通ったブランド、などが該当します。
※業績(売上・利益)が果実で、知的資本が根っこ
 
■工業社会と知識社会
20世紀の社会とは、資源や生産物といったモノに最大の価値があった「工業社会」と言うことができます。21世紀には、社会は一人ひとりの知恵が価値を生む「知識社会」へとシフトしていきます
 
工業社会では、市場はモノを待っており、そこに生産物を提供することが価値を生む。経営管理についても、生産が価値を生む工業社会では、マネジメントの仕事とは年度の生産と販売の計画数値(ノルマ)を達成するために現場を頑張らせることでした。従って、工業社会のマネジメントでは期首に策定した計画の進捗を数値で管理する。
 
成熟した知識社会の市場で価値を持つものはモノではなく、個人や社会の価値を高めるアイデアです。それは生産設備ではなく人の頭脳が生み出すものです。戦略は仮説検証的に進めるしかないため、知識社会におけるマネジメントとは、現場における仮説検証をいかに実行していくかとなります。従って、知識社会のマネジメントとは戦略の実行可能性を高める具体的な方法を仮説検証プロセスを通じて練り上げていくことになるのです。
 
■知的資本の構成
知的資本=人的資本+組織資本+関係資本
 
人的資本とは、経営陣、社員(従業員)、組織文化
組織資本とは、知的財産、業務プロセス、経営基盤
関係資本とは、顧客資本、ブランド力、ネットワーク力
 
■知的資本経営とは
知的資本経営とは、会社の根っこである知的資本の強みを活かし、公器としての会社の姿に磨きをかける、持続的な成長を実現する経営手法です。
 
知的資本経営では「会社の価値の源泉は知的資本にある」と考えます。顧客からの信用や評判、業務ノウハウや技術開発力、経営者の独創性や社員の能力やスキルに、価値があると考えます。知的資本経営では、それら知的資本を強化し、価値の源泉の力を高めることを目指します。
 
そして財務的な成果は、良い会社を目指した結果としてついてくものであり、直接操作できるものでも、すべきものでもないと考えます。
 
 
ーここからー
知的資本経営とは何かについて少しでも理解の促進が進めばと、自分なりに再構築しながら書かせて頂きました。何かしら伝わっていたら幸いです。
 
さて、ここからは自分なりの解釈を含めてお伝えします。
 
作れば売れる時代が終わったことを認識していない人はいないでしょう。勝ち残るためには、他社にない差別化された商品やサービスが必要だということについて否を唱える人もいないでしょう。
 
しかしながら、多くの企業が差別化で苦しんでいるのではないでしょうか。そして、差別化を目に見える資源や生産物といったモノを最大の価値としているのではないでしょうか。そのため、本当の自社の強さを見過ごしているのではないでしょうか。
 
なぜなら、会社の強みとは数字で表しづらい、見えづらい場合も多々あるからです。
 
繰り返しになりますが、どうしたら他社にない差別化された商品やサービスが誕生されられるのかが分からない。それを解決するのが「知的資本経営」だと私は感じました。要はその会社の目に見えない根っこにある知的資本の中から強みをあぶり出し、その強みを活用した戦略(商品・サービス)を誕生されるからです。
 
これって、ちょうど昨年末にやっていた「陸王」そのままだと感じました。こはぜや(足袋製造販売の零細企業の社名)の強みである「あきらめの悪い社風と他に真似できない足袋の製法技術、そして新たに手に入れたシルクレイというソウルの技術」を強みとして足に負担を掛けないランニングシューズを開発して成功しました。
 
これからの21世紀を勝ち残るためには、これしかないないと思います。なぜなら、目に見えるモノだけだと直ぐに真似されるか価格競争になってしまうからです。そして、知的資本の中から炙り出された強みで生きていくならば、多くの企業が共存共栄できると思うからです。
 
例えば回転ずしです。スシローやくら寿司など大手チェーン以外にも、今多くの回転ずし会社に勢いがあります。どんな会社かというとご当地の食材やこだわりの調理方法などを強みとした会社です。ご当地は多々あるので、理論値で言えばご当地の数だけ成功する企業が生まれる計算になります。
 
補足ですが、強みも1個ではなく幾つか掛け合わせることで、他社に真似されない強みになります。100%成功するとは言いませんが、普通に差別化を考えるよりも成功する確率は高いはずです。
 
なぜならその強みが他社なら難しくても、自社にとっては当たり前にできている普通のことだからです。
 
最後にまとめると
21世紀に生き残って行く為には知的資本の中から強みを幾つか見つけ、それを掛け合わせることで他社に真似されない強みとする。それを活用して戦略(商品やサービス)を作る・ブラシュアップすることで、価格競争に陥らない戦略(商品・サービス)を世に出せるのではないでしょうか。
 
あなたの会社は知的資本の中にある強みにフォーカスをしていますか。