ー書籍からー
■心を解き放つ「正しい理解」
「貧欲」「怒り」「妄想」は、伝統的には、貧(とん)、瞋(じん )、癡(ち)の「三毒(さんどく)」と呼ばれ、「人間の三大煩悩 」とされています。
「貧欲」「怒り」「妄想」は、伝統的には、貧(とん)、瞋(じん
今に伝わる仏教は、こうした煩悩を「戒めなさい」と説きます。し かしブッタが生きていた当時、これらは「心の状態を理解するため のツール(方法)」だったのです。
「正しい理解」とは、「自分が正しいと考える」ことではありませ ん。「自分流の見方・考え方で理解する」ことでもありません。
むしろ逆に、「自分はこう考える」という判断や、解釈や、ものの 見方は一切差し引いて、「ある」ものを「ある」とだけ、ありのま まに、客観的に、主観抜きの”ニュートラル”な目で、物事を見据 えることを意味しています。
「正しい理解」に「反応」はありません。ただ見ているだけです。
■人間関係をまあるく治める「4つの心がけ」
慈(慈しみの心) 相手の幸せを願う心です。
悲(悲の心) 相手の苦しみ・悲しみをそのまま理解すること。
喜(喜の心) 相手の喜び・楽しさをそのまま理解すること。
捨(捨の心) 手放す心、捨て置く心、反応しない心です。
慈・悲・喜・捨という4つの心がけを、心の土台に、人生のモチベ ーションに据えてみるのです。
■自分を否定しない
自分を否定すると、承認欲が満たされない「怒り」が生まれます。 怒りは、本人とって「不快」な反応なので、その状態を解消したく て①「攻撃」か②「逃避」を選択します。この2つは、生物ならみ んな持っている本能的な反応です。
「攻撃」は、こんな行動として現れます。キレる、怒鳴る、嫌がら せ(迷惑行為)で憂さを晴らす。
「逃避」は、こんな形で出てきます。無視する、さぼる、手を抜く 、休む、引きこもる、ひたすら眠る、鬱になる、刺激・快楽に依存 する。
こうした反応が出てきたとき、自分も周りも、「なんとかしないと 」と考えます。ただ、注意しなければいけないのは、その「なんと か(矯正)しないと」という判断もまた、本人を否定する判断だと いうことです。つまり「怒り」が生まれます。その怒りが、 新しい「攻撃」か「逃避」の反応を生み出します。こうなると「 悪循環」に陥ってしまいます。
どんな状況にあっても、「判断しない」(否定しない)というのが 、重要なのです。
■”欲”を活用する
「仕事で評価されたい」「人に感謝されたい」「褒められたい」と
だから、もしあなたの中に、やってみたい、チャレンジしたいこと があるなら、その欲求を大切にしてください。その動機が、仮に「 お金を稼ぎたい」とか「人より上に立ちたい」「競争に勝利したい 」といった「煩悩」であっても、目指すことに「快」があるなら、 大いにやってみることです。
ただし、ここで1つの条件がつきます。というのは、欲求の満足が 幸せに繋がるのは、本人が「快」を感じられる場合だけです。逆に 、もし欲が膨らみすぎて、「焦り」とか「不安」とか、「結果が出 ない」「頑張っても認めて貰えない」という不満になってしまうな ら、その欲求はいったん手放さないといけません。「苦(不快) を感じたら仕切り直しなさい」というのも、ブッタの思考法です。
欲求を生きるエネルギーに変えて「快」を感じる生き方は、合理的 です。
■”承認欲求”を満たす3つの「正しい努力」
①認められない気持ちをモチベーションにして、今の仕事・生活を 「改善」していく。
②どんなときも「自分のモノゴトに集中」する。
③「自分で納得できる」ことを指針(基準)とする。
あなたが出家でもするつもりがない限り、承認欲求は大切にしてよ いと思います。
注意点
上記は「モチベーション」(動機)として利用するだけで、「目的 」そのものにしてはいけません。
■”正しい生き方”とは
①反応せずに、正しい理解をすること(仏教では、「正見(しょう けん)」)
②三毒などの悪い反応を浄化すること(「清浄行(しょうじょうぎ ょう)」)
③人々・生命の幸せを願うこと(慈・悲・喜・捨の心で向き合うこ と)
■まとめ
〇悩みの原因は”心の反応”である。
〇”心の反応”の背景には”求める心”や”7つの欲求”(特に承
〇心の状態を理解するには、①言葉で確認する。②感覚を意識する
■ブッタのメッセージ
人間が抱える、どんな悩み・苦しみも、きっと解決できる。必要な のは、その「方法」である。「方法」とは、心の使い方のこと。反 応して苦しむのではなく、正しく理解し、苦しみの反応をリセット し、人生に最高の納得をもたらす考え方・生き方である。
人間が抱える、どんな悩み・苦しみも、きっと解決できる。必要な
ーここからー
非常に引用部分が長くなってしまいましたが、如何だったでしょう か。自分でもきちんと理解をしたかったので、まとめてみたら結構 なボリュームになってしまいました。
いろいろと書いてはいますが、一番お伝えしたかったことは最後の のブッタのメッセージです。苦しかったら反応をリセットしません かというお話です。
前回も書きましたが、”欲”や”承認欲求”は人間として生きてい る限り消すことはできないと思います。だったら最大限”欲”を活 用しましょうという話です。しかし、その為に苦しい状況に陥って しまった場合は”反応”をリセットし、仕切り直しましょうという ことです。
言われてみれば普通のことではありますが、なかなか出来ていない のではないでしょうか。少なくとも私はまだできていませんね。苦 笑
少しでもあなたの悩みや苦しみの低減になれたら幸いです。