■イノベーションとは何か
「イノベーションを一言で表現しないさい」と言われたら、私は新 結合と答えます。もう少し具体的に言うならば、「企業活動におい て、従来なかった新しい組み合わせを実現すること」です。これは 、無から有を生み出さなくてもいいということです。
例
・「歩く」+「音楽」=ソニーの「ウォークマン」
・電話+手紙=ファックス
・飲料+健康=トクホ飲料 など
■アイデアを考える3つのステップ
ステップ1:バイアス(固定観念)を特定する、バイアスを崩す
ステップ2:新結合を考える
ステップ3:ストーリー化して、新結合の合理性を検証する
このシンプルな3ステップで、新商品、新サービス、プロモーショ ン方法など業界を問わず、いろいろな場面で使える新しいコンセプ トをつくってきました。
■イノベーションは右脳と左脳の両方を使い倒す
右脳的な直感だけに頼っても、左脳的なロジックだけで考えても、 いいものは生まれません。その両方を使い倒すことが、極めて重要 なのです。
経験的から言えば、ロジックを徹底的に鍛えられた人に、そこから 解き放たれて右脳をもっと使えるようにトレーニングするほうが効 果的です。
ビジネスとしては成立させたいのであれば、面白いアイデアでさえ あれば十分なのではなく、それをきちんと説得し、投資を引き出せ るということが大事である点を忘れてはいけません。
■イノベーションを決めるのは誰
商品やサービスがイノベーションかどうかを決めるのは、お客様で あって、作りてではありません。ゆえに一人でもイノベーションと 言うお客様がいれば、それはイノベーションなのです。
■アイデアを発想させるには
意外かもしれませんが、新結合を考えるときには、何らかの制約が あったほうが効果的です。企業では「新しいことを考えるのだから 、一切の制約を外して発想していい」と、担当メンバーに丸投げす るパターンをよく見かけます。
どこから考え始めたらいいのか、浮かんだアイデアをそのまま深め ていいのか、まったく検討がつかないのです。
■どのような新結合がいいのか
新結合の組み合わせは、新技術と新技術、新技術と既存技術、既存 技術と既存技術の3つのパターンが考えられますが、新技術だけで 開発するのは難易度が高くなります。
私の経験から言えば、新技術があったほうがより有利になります。 よってお勧めは新技術と既存技術の組み合わせです。
■ひらめく力を身につけるためのマインド
イノベーションは「セレンディピティ」だとよく言われます。「セ レンディピティ」とは、予期しないものを偶然的に発見することや その力を指す言葉ですが、幸運の女神がそんな簡単に見つかるはず がありません。
私は、セレンディピティとは、見聞きしたことをストックしていく 能力だと思っています。記憶のピース、そしてディップスの数と広 がりは、発想力の豊かさにダイレクトに影響を及ぼします。
■ストーリー化して、新結合の合理性を検証する
ステップ1:ストーリー化する
新結合の良し悪しを検証する効果的な方法が、実際の使用シーンを 思い浮かべながら、ストーリー化してみることです。パロメーター は、自分自身のワクワク度です。
ステップ2:接点の設計を確認する
ストーリー化の次に、新結合の合理性をチェックする方法が、接点 の設計です。その際には、次の2つのポイントは考えなくてはなり ません。
①実質的な価値 →お客様にとって何かいいことがある。
②情緒的な親和性→お互いの持っている世界観、価値観、ストーリ ーがうまく合わさり、ぶつかりあわない。
■最近のイノベーションのトレンド
美しさや使いやすさという感性面での改革が起こっている。そのよ い例がアップルの製品であり、おそらくジョブスがそうした世界観 へと変えたのではないかと思います。
今では、デザインや使いやすさが最初にあって、そこにどう技術を しっかり盛り込むかを考えるようになっています。言い換えると、 デザインや使いやすさの地位が向上していて、技術と対等か、場合 によってはそれ以上になっているのではないでしょうか。
ーここからー
正直、イノベーションは不得意?苦手だと思っていたのですが、こ の書籍を読んで希望が湧いてきました。イノベーションも誰もが起 こすことができる再現性が高い方法があるのだと。
イノベーションとは何でしょうか?改めて幾つか調べて見ました。
①Wikipedia
物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「 新しい活用法」(を創造する行為)のこと。
② ブリタニカ国際大百科事典
革新または新機軸と訳されている。技術革新の意味に用いられるこ ともある。イノベーションは生産技術の変化だけでなく、新市場や 新製品の開発、新資源の獲得、生産組織の改革あるいは新制度の導 入なども含む。
日本の場合は「技術革新」が一般的でしょうかね。著者は「新結合
イノベーション=無から有を生み出すイメージが強いですが、これ
アップルのI-PHONEなんかは最たる事例ですよね。日本人の
大事なのはそこではなく今ある技術を結合し、実質的な価値があり
その延長線上で最近のイノベーションのトレンドは、デザイン思考
別段特別な機能はなく、とにかく”音”にこだわった商品ですが売
さて今回この書籍で一番お伝えしたかったこと。それはイノベーシ ョンを誰もが簡単に再現性高く起こせるやり方があったということ です。
多くの物事で再現性の高いやり方が存在します。例えば、コミュニ ケーション、信頼関係、問題解決、目標管理などです。なので、イ ノベーションも再現性のあるやり方があるとは思っていました。そ して今回、そのやり方に出会うことができました。
過去にもイノベーションの本は何冊か読んだり講演を聞いたりして いましたが、今回のやり方が一番簡単で、再現性が高いと感じてお ります。
イノベーションは企業として生き残るために必要不可欠です。です が、このイノベーションのやり方を知っただけではイノベーション は起こりません。大きな壁が立ち塞がっているのです。次回はその 壁についてお伝えしますので、今回と合わせてお読みください。