■日本の高度経済成長こそ、奇跡!
中国で本当に豊かだった時代、盛世(平和で豊かで安定していた時 代)は4つしかないと言われています。
西漢の文帝と景帝の時代が盛世の最初で「文景の治」と呼ばれ、唐 の太宗李世民による「貞観の治」、同じく唐の玄宗の「開元の治」 、それから清の康熙帝と雍正帝(乾隆帝の前期を加える場合もあり ます)の時代、以上の四つです。
ローマ帝国では、アウグストゥスの時代や、ギボンが「人類のもっ とも幸せな時代」と呼んだ五賢帝の時代(約100年)を、ローマ の平和(パックス・ロマーチ)と呼んだりしていますが、それでも 実際には紆余曲折があって、その長い期間、四海波静かな平和と繁 栄が続いたわけではどうもなさそうです。
世界の歴史を見ていくと、豊かで戦争もなく、経済が右肩上がりに 成長していく本当に幸せな時代は、じつは殆ど無いことがわかりま す。その意味で、戦後の日本はもっと高く評価されていいと思いま す。
人口が一貫して増え、高度成長が続き、戦争もなく、ほぼ10年ご とに所得が倍増するような豊かな時代は世界史の中でも殆ど例があ りません。これほどいい時代がいつまでも続くと考える方がどうか している。ですから、今の苦しさは、むしろ日本が普通の国に戻っ たのだ、と考える方がいいと思います。
中高年の人は、21世紀の日本は不況で、ひどい時代だとか、失わ れた20年とか言ったりしますが、それは戦後の夢のような時代を 標準に考えているからです。むしろ、今のような状況が、世界史か ら見たら自然な姿なのかも知れません。
ーここからー
「昔は良かった」とか、「失われた20年」というフレーズは本当
この話を聞いていて頭に浮かんだのが、少し前ですが日本で一斉を 風靡した「ピケティ―理論」です。
ピケティ―理論について、知らない人もいるかも知れませんので、 簡単に説明します。
「お金持ちはどんどんお金持ちになり、貧乏人は貧乏のまま抜け出
それ以前は1971年にノーベル賞を受賞したグネッツ氏が20年
この考えが常識だったのですが、20年スパンで無く200年スパ
これも長い歴史で見るからこそ、見えてくることですよね。