Vol.88「日本の高度経済成長こそ、奇跡!」

書籍名:仕事に効く教養としての「世界史」
著者:出口 治明
リンク: http://amzn.asia/aeKLesW

ー書籍からー

■日本の高度経済成長こそ、奇跡!
中国で本当に豊かだった時代、盛世(平和で豊かで安定していた時代)は4つしかないと言われています。
 
西漢の文帝と景帝の時代が盛世の最初で「文景の治」と呼ばれ、唐の太宗李世民による「貞観の治」、同じく唐の玄宗の「開元の治」、それから清の康熙帝と雍正帝(乾隆帝の前期を加える場合もあります)の時代、以上の四つです。
 
ローマ帝国では、アウグストゥスの時代や、ギボンが「人類のもっとも幸せな時代」と呼んだ五賢帝の時代(約100年)を、ローマの平和(パックス・ロマーチ)と呼んだりしていますが、それでも実際には紆余曲折があって、その長い期間、四海波静かな平和と繁栄が続いたわけではどうもなさそうです。
 
世界の歴史を見ていくと、豊かで戦争もなく、経済が右肩上がりに成長していく本当に幸せな時代は、じつは殆ど無いことがわかります。その意味で、戦後の日本はもっと高く評価されていいと思います。
 
人口が一貫して増え、高度成長が続き、戦争もなく、ほぼ10年ごとに所得が倍増するような豊かな時代は世界史の中でも殆ど例がありません。これほどいい時代がいつまでも続くと考える方がどうかしている。ですから、今の苦しさは、むしろ日本が普通の国に戻ったのだ、と考える方がいいと思います。
 
中高年の人は、21世紀の日本は不況で、ひどい時代だとか、失われた20年とか言ったりしますが、それは戦後の夢のような時代を標準に考えているからです。むしろ、今のような状況が、世界史から見たら自然な姿なのかも知れません
 
 
 
ーここからー

「昔は良かった」とか、「失われた20年」というフレーズは本当に良く聞きますが、何処を基準にするかで全く見え方が違ってきますね。

 
この話を聞いていて頭に浮かんだのが、少し前ですが日本で一斉を風靡した「ピケティ―理論」です。
 
ピケティ―理論について、知らない人もいるかも知れませんので、簡単に説明します。

お金持ちはどんどんお金持ちになり、貧乏人は貧乏のまま抜け出すのが困難になる確率が高いことをフランス革命頃から200年以上にもおよぶ、膨大な1次情報を集めて、数値的な根拠で裏付けて証明した理論です。

それ以前は1971年にノーベル賞を受賞したグネッツ氏が20年を周期とする成長率循環として「クズネッツの波」呼ばれる景気変動を発見、「資本主義の初期は格差が拡大するが、経済発展によって中間層が増え所得再配分が行われるようになって格差が縮小する」と発表し、多くの人々に周知されました。

この考えが常識だったのですが、20年スパンで無く200年スパンで検証したら違っていたという話です。

これも長い歴史で見るからこそ、見えてくることですよね。何処を基準にするかって本当に大切ですよね。