書籍名:「キレ」の思考 「コク」の思考
著者:村山 昇
リンク: http://amzn.asia/09hltFS
ー書籍からー
■曖昧なことを曖昧に考える力
「考える人間の最も美しい幸福は、究め得るものを究めてしまい、 究め得ないものを静かに崇めることである」 ゲーテ『格言と反省』(高橋健二編訳『ゲーテの格言集』
■まず、直観が働き、そこから論理が構築される
1981年にノーベル化学賞を受賞した福井謙一氏は次のように言 う。「結局、突拍子もないようなところから生まれた新しい学問と いうのは、結論をある事柄から論理的に導けるという性質のもので はないのです。では、何をもって新しい論理が生まれてくるのか。 それは直感です。まず、直観が働き、そこから論議が構築されてい く。」(『哲学の創造』より)
■人生の真実
「既知の平穏世界」と「未知の挑戦世界」の間には壁(「目に見え る壁」と「目に見えない壁」)がある。目に見える壁は、能力の壁 、財力の壁、環境の壁などである。目に見えない壁は、不安の壁、 臆病の壁、怠惰の壁などである。前者は物理的な壁、後者は精神的 な壁だ。
飛び越えた壁の後ろには上り坂(「挑戦」の坂)になっている。挑 戦の坂を見事上りきると、「成長」という名の見晴らしのいい高台 に出る。壁の向こう側の未知の世界は、危険も伴うが、それ以上に チャンスがある。
壁のこちら側(「既知の平穏世界」)も実はゆるい下り坂になって いて、本人はあまりきづかないだろうが、ずるずると下に落ちてい く。そしてその落ちていく先には「保身」の沼、別名「ゆでガエル 」(ゆでガエルhttps://ja.wikipedia. org/wiki/%E8%8C%B9%E3%81%A7% E3%82%AC%E3%82%A8%E3%83%AB)の沼が ある。
壁を越えずにこちら側に安穏と住み続けることにもリスクがある。 特徴はいつの間にかに忍び寄ってくるリスクであり、 気がつくと沼にどっぷりとつかっていて治し難い性分になっている 。
跳ぶことはリスクである。しかし、跳ばないことはもっとリスクで ある。人は人生の多くの局面で跳ぶことを避けたがる。なぜだろう ?
危険を顧みず、勇敢に壁を越えていった人びとが、結局、坂の途中 で力尽き、想いを果たせなかった姿をよく目にする(「勇者たちの 墓場」)。その一方、現状に満足し、未知に挑戦しない人たちが、 必ず皆な、「ゆでガエル」の沼で後悔の人生を送るかといえば、「 安逸」の坂の途中にある「ラッキー洞窟」で暮らせることも現実に はある。
怠け者・臆病者が得をすることもあるし、努め者・勇敢者が必ずし も得をせず、損をすることが起こり得る。これもまた事実なのだ。 人間社会や人生はそういう理不尽さを孕むところが奥深い点でもあ る。だが問題は、結局、私たち一人ひとりが、自らの行動基準をど こに置くかだ。
ーここからー
書籍の名前が「キレ」と「コク」と書かれているように内容の大半 は「キレ」と「コク」。特に「コク」について書かれていました。
ただ、私がこの書籍を読んでいて、とても感銘を受けたのはそこで はなく、今回のお題にもしている「人生の真実」についてでした。
書籍では9ページに渡り、ふんだんに図も取り入れながら分かりや すく書かれていました。さすがに9ページを丸々抜き出すことは・ ・・だったので、私なりにコンパクトにまとめてご紹介をさせて頂 きました。
個人的感想はとても良くまとまっていて分かりやすい。特に壁には 「見えない壁(精神的な壁)」もあり、そこに躊躇する人が多い。 そして、壁を越えても越えなくてもリスクがある中で、なぜ人は躊 躇するのか?
それは「勇者たちの墓場」と「ラッキー洞窟」があるからだ!!
とても得心がいきました。どちらを選択するかに良い悪いはないか と私も思っています。大切なのは「自らの行動基準」をどこに置く かですよね。
因みに私の判断軸は、「家族の生活を第一に、自分が生を受けた証 として『何かしら人生の傷跡(世の中に貢献= 一筋の光になりたい)』を残したい」なので、 壁を乗り越えるパターンが多いですね・・・。
余談ですが先日、結婚20周年を記念して伊勢・志摩へ妻と二人で 旅行へ行って来ました。志摩の観光お勧めスポットに「横山展望台 」があります。途中の道が工事中だったため、25分位山を登って 横山展望台へ行ったのですが、そこからの景色は絶景でした。
横山展望台からの景色
著者曰く、挑戦の坂を見事上りきると、「成長」という名の見晴ら
本当に見晴らしのいい高台でした。今まで幾つもの高台に行きまし たが、私の中では圧倒的NO1の眺望でしたので、お勧めです。是 非一度、足を延ばしては如何でしょうか。