Vol.97「権限委譲の極意とは」

書籍名:情熱商人
著者:安田 隆夫
リンク: http://amzn.asia/gvburKQ

ー書籍からー

■権限委譲がなぜ誕生したか
安田は従業員の前で実際に圧縮陳列をやって見せ、手取り足取り、マンツーマンで必死に教えた。しかし、できない。いくらやらせても、安田の言う圧縮陳列とは似て非なる、単に雑多な商品の山積み場にしかならないのだ。
 
なかば開き直った安田は「教える」のをやめ、それと反対のことをした。「自分でやらせた」のである。それも全部を任せた。従業員ごとに担当売り場を決め、仕入れから陳列、値付け、販売まで「すべて好きにやれ」と彼らに丸投げした。
 
当初は面食らっていた店舗スタッフたちだが、次第に目を輝かせ、いきいきと仕事をするようになる。同社最大の成功ノウハウとなる「権限委譲」の始まりである。By月泉 博
 
 
■権限委譲の本質
ドン・キホーテがなぜ240店以上のグループ店舗網を可能にしたのだろうか。言うまでもなくその解は、当社最大のノウハウである権限委譲にある。
 
権限委譲は目的ではない。あくまでも手段だ。そして真の目的は、前述した全体チェーンパワーの最大化にある。
 
当社の権限委譲は、投資家とファンドマネジャーの関係になぞらえると分かりやすい。つまり投資家(経営者や上司)が、ファンドマネジャー(社員や部下)に資金を預け、その運用を任せる。ファンドマネジャーはその金で、株や債券、通貨、商品などありとあらゆる金融商品を買い付け、ファンドの値上がりと利回りを競う。
 
投資家はその過程をいっさい見ない。問うのはあくまで結果のみだ。それと同じことを、小売店という実体経済の場でやらせているのが、当社の権限委譲の本質なのである。
 
 
■経営理念 第3条 現場に大胆な権限委譲をはかり、常に適材適所を見直す
権限委譲と人財の適切な評価は一対の概念である。常に適切な評価がなされてこそ、現場に対する大胆な権限委譲が可能になる。
 
そのため、現場では常に適材適所を見直し、柔軟かつ大胆な新陳代謝をはからねばならない。
 
 
■権限委譲の本質は「狭くて深い」
責任範囲を明確にした上で、一から十まで「丸投げ」することが大前提である。「広くて浅く」なると、プロセスに多くの人が関り、真の権限委譲にならない。
 
 
■権限委譲の要諦
「明確な勝敗」「タイムリミット」「最小限のルール」「大幅な自由裁量権」。これらが権限委譲の要諦であり、仕事をゲームに変えるための四大要素である。
 
 
■仕事のゲーム化
ゲームをする上で私は以下のような方針を定め、厳守させた。これが(成功の)決めてになったと思っている。
 
①最小限のルール(ルールが多く複雑なゲームは分かりにくく面白くない)
②大幅な自由裁量権(周りから口を出させるゲームほどヤル気が失せるものはない)
③明確な勝敗基準(勝ち負けがはっきりしないゲームはゲームでない)
④タイムリミット(必ず一定の時間内に終わらせなければそもそもゲームにならない)
 
もっとも、権限を委譲して、仕事をゲーム化する上での最大要件は「人を信頼すること」。これに尽きる。
 
 
■守るべき生命線「スモールメリット」
会社が大きくなればなるほど、あえて組織を細分化して”小さな燃える集団”にリメイクし続ける努力を惜しんではならない。
 
とりわけ、権限委譲と現場の裁量を最重視し、本部などからの画一的な押し付けを何よりも嫌う当社にとって、チームが一体感を持って燃えられる「スモールメリット」の発揮は最大の武器であり守るべき生命線である。
 
 
 
ーここからー
常々、責任と権限はセットだと言い続けてきました。私にとってこれは必須=必要不可欠な考え方です。
 
しかしながら「権限をどのように設定すればいいか」と聞かれたら言語化が出来る迄には至っていません。恥ずかしながら、この書籍を読んで初めて権限委譲のイメージを持つことができたのが正直なところです。
 
もし権限委譲について知見をお持ちでしたら、是非とも教えて頂きたい!
 
書籍を読んでいて痛感したことは、単に権限を委譲すればいいのではないことだけは明確になりました。具体的には、狭く・深く。そして要諦に書かれている4つ。最後にゲーム化ですね。
 
確かにドン・キホーテをイメージすると、まさにその通りだと思うのですが、自社や他社に当てはめた時の具体的なやり方までにはまだ至っていません。もっともっと現場をリアルに意識し、思考を深めないと・・・。