書籍名:悪いヤツほど出世する
著者:ジェフリー・フェファー
リンク:http://amzn.asia/5ycNCT3
―書籍からー
■自分の身は自分で守れ
自分の努力と勤勉は必ず認められ、評価され、報われると期待している人は、そろそろ自分で自分をだますのをやめなければならない。
会社が暗黙の約束を破ることに関しては、ちゃんとデータも存在する。
人間は、個人と個人の関係では恩を仇で返すようなことはしないが、会社をはじめとする組織の場では恩に報いる気持ちが薄れ、それが行動に表れるということだ。
■自分の利益は自分で守れ
アダム・スミスが『国富論』で示したあの有名な原則。「われわれが食事ができるのは、肉屋や酒屋やパン屋の主人が博愛心を発揮するからではなく、自分の利益を追求するからである。人は相手の善意に訴えるのではなく、利己心に訴えるのであり、自分が何を必要としているのかではなく、相手にとって何が利益になるのかを説明するのだ」。
自分の利益は自分で守り、自分の幸福は自分で責任を持つことによって、各自が自分のことをよく考え、より自立した大人になる。
人間である以上、完全ではない。だから、優れたリーダーに付き従うよう奨励するのは、欠陥のある人間を全面的に信頼するよう奨励することにほかならない。これでは、本来なら一人前の人間を、ある意味で幼児化させるようなものではないだろうか。
■リーダー神話を捨て、真実に耐える
「数十年にわたって多くの本が書かれ、講演が行われ、リーダーシップ開発プログラムが実施され、リーダーシップ教育産業があれこれと様々な試みをしてきた。にもかかわらず、大方のデータは、ほとんどの社員が不満を抱き、不信に陥り、やる気をなくし、希望を失っていることを示している」。
「そもそもリーダーシップを論じるときに、精神の高揚を求めること自体が、私に言わせれば気が滅入る。データに基づいて論じるべきだ」。
感動的なリーダーシップ神話はこれまでに何か成果を上げることができたのか?この質問は単純に、あれだけの時間と労力とお金をリーダーシップ教育に注ぎ込んだ結果として、リーダーと組織のあり方はよくなったのか、ということだけを問題にしている。
リーダーシップをめぐる論議は、どうもいつも読者や聴衆に軽く麻酔をかけたような具合にしていると感じられる。
■事実と向き合い、行動する
52人のマネジャーを対象に行われた3つの異なる調査で、「マネジャーの成功と密接に関係する行動」に挙げられたのは、「人脈作りと政治的駆け引き」だった。
リーダーシップの危機に何か改善をもたらすことができるのか、私には自信がない。ただし、人間の行動に関する社会科学の知見にも現実のデータにも基づかないやり方でこれ以上リーダーシップ神話を振りまき、人々をいい気分にさせるだけではうまくいかないことは、はっきりしている。
人は真実に耐えられるはずだ。真実と早く向き合うほど、誰にとっても結果はよりよいものになる。そのためには誰もが、そう、リーダーだけでなく全ての人が、がんばって続けてなければならない。
―ここからー
如何でしたか。軽くどんよりした気持ちになったのは私だけでしょうか・・・。
4回に渡ってリーダーシップについて書いてきました。このような切り口でリーダーシップを読んだのは初めてだったので、とても衝撃を受けています。
世の中で成功しているリーダーの多くは、人脈作りと政治的駆け引きが上手なナルシストが多いのでしょう。これは事実ですね。データは嘘をつかないので・・・。
ですが、私はこの書籍に記載されている通り、「人間は、個人と個人の関係では恩を仇で返すようなことはしない」のですから、今まで通り信頼関係を意識しながら生きて行こうと思います。
そして「自分の身は自分で守る」。言われてみれば当たり前ですが、これが真理ですよね。そして21世紀に入り、日に日にその感覚は強まることはあれど、弱まることがありません。
とても強く、「自立」が必要な時代になったと感じています。
私にとって自立とはプロであること。プロとは相手の求める水準を推し量り、その水準以上の成果を上げることだと定義しています。そして、その土台として信頼関係は必要不可欠だと思っています。
なので、これからもそれを精進し続けます!!