Vol.122「人にやられてイヤことは、・・・」

書籍名:上司が壊す職場
著者:見波 利幸
リンク:http://amzn.asia/iYOLQTa

―書籍からー
■部下の心を折る、4タイプの上司たち
①機械型:周囲が目に入らず、空気がよめない。
②劇場型:相手を“敵”と認識すると感情的に攻撃する
③自己愛型:常に称賛を浴びたい、特別視されたい
謀略型:部下の気持ちよりも自己の目的を重視しすぎる

■最も危ないタイプの上司(謀略型)
このタイプの方をカウンセリングすると表向きは反省しているように映るのですが、深く話を聞くと、「部下は自分の成果を上げるための道具だ」「上司なのだから、部下を自由に使って何が悪い」という本音が言葉の端々に見えてきます。

そしてカウンセリングでは、本当の気持ちを明かさないのでなかなか解決には向かいません。

人間であれば、誰しも「自分が一番大事」と思いがちであることは否定しませんし、部下の能力によって、対応が変わってしまうのは往々にしてあることです。

ただし、このタイプの人は、部下がつらい状況に置かれたり、ひどい目に遭ったりしても、それについて良心の呵責がない、あるいは少ないというのが特徴です。

■謀略型タイプが一番問題発見が遅れる
謀略型に限った話ではありませんが、上司という立場にいる場合、経営層と現場の間にいるため、上司がいかに現場の部下たちを「道具」のように扱い、人望を失っていても、なかなか経営層にはその情報が上がってきません。

離職者や不調者が出れば、「上司の問題」が発覚しますが、謀略型上司の中でも、能力高め、計算高めな場合は、不調になりそうな部下を早めに異動させるなどして、「問題化」を防ごうとします。

あるいは仮に不調者や離職者が出ても、部下のキャラクターや能力に原因があったと報告するなど、自分の責任が問われないようにするのです。

大変厄介なことですが、多くの会社では、この謀略型の特性を持った人が昇進しやすい状況にあります。

会社によっては、謀略型のキャラクターを持った人が経営層にも数多くいます。そうなると解決はさらに難しくなります。

謀略型で、かつ能力が高い人の場合は、これまで説明してきたような理由で、なかなか問題が表面化しません。

さらに、部下の気持ちを考えずに業績を上げ続け、経営層になった人は、自分と同じような行動をとる部下に何の問題も見出さず、かえって頼もしいとすら考えがちです。

■心が満たされない危険な上司たち
危険な上司の場合でも、他者からの承認、自己実現を得ようとはしているのですが、その方法論が本質的にずれている、また稚拙な面があるという点は否めません。

本来、自己実現を極みまで高めると、他者が実現したいと願うことを支援したいとう「他者実現支援」の欲求が高まることが多いのです。

優れた人格者は、ほぼこのステージにいて、最終的には他者を支えることが喜びとなり、真の幸せを感じるようになります。

やたら他人に攻撃的になる危険な上司が多いのも、実は自らが本当の幸福を得られていないと、無意識のうちに感じているからかもしれません

■あなたの会社は、何を大切にしていますか?
今、日本の企業に求められているのは、「私たちは、何を大切にする会社なのか」という自問を忘れないことではないかと思います。

私たちの心の奥底には、誰にでも「危険な上司」が潜んでいます。心の中の危険な上司に顔を出させないためには、あらゆる立場の人々が、相手の気持ちになって考えればいいのではないでしょうか。

人にやられてイヤなことは、自分もやらない。人にやって貰って嬉しいことを、自分もやる。とてもシンプルです

これを組織の多くの人が実行できるようになったとき、誰もが働きやすい職場、やりがいを持ち続けられる職場が実現するのだと思います。

 

―ここからー
前回はなぜ危険な上司が誕生するのかをお伝えしました。そして今回は、危険な上司の4タイプをお伝えし、その中でも一番危険な謀略型に特化してお伝えさせて頂きました。

この謀略型の上司について、私の頭の中ではかつての上司の方がちらつきながら読んでいました。

以前、嫌なヤツほど出世するをお伝えしましたが、事実としてこの手のタイプの方は出世していると思います。なぜなら、実際に自身でも見かけますし、他社の方からもこの手の話はよく聞くからです。

企業においてこのようなタイプの方が出世する原因は何なのでしょうか。人事的思考から私が感じているのが、昇格が入学方式ではなく、卒業方式だからではないかと思います。

卒業方式とは、今現在求められている要件を満たしているので、昇格させるやり方です。入学方式は、管理職に求められる要件を満たしていたら昇格させるやり方です。

以前にもお伝えしましたが、名選手でも名監督でない人は存在します。逆に名選手だったからこそ、タチが悪くて、その時の成功体験があるので、それを監督になっても固執し、悪影響を及ぼす場合があるのではないかと思うのです。

個人的には入学方式でトライし、ある一定期間を見極め、問題がなければ正式に昇格させるスタイルがベターだと思っています。

最後に
見波さんも仰っていますが、「人にやられてイヤなことは、自分もやらない。人にやって貰って嬉しいことを、自分もやる」。人としてとても重要で大切なことだと思います。